中間テストの翌日20日(土)、第3回の「SGHアジア学の講義」が行われました。今回のテーマは、前回に引き続き「健康」について。
「健康長寿の方策を探る」と題して、星城大学 リハビリテーション学部 大学院健康支援学研究部 竹田徳則先生から、様々な分野にわたって健康を基礎とした学問の確立について学びました。
人間集団における病気の発生に関する科学(疫学)において、認知症やうつ病の問題が、2050年(今の高校2年生達が50歳くらいになるころ)には、今以上に生活を左右する大きな社会問題となることが見込まれているそうです。
近年、認知症を理由として介護の必要が生まれ、結果離職しなければならないという「介護離職」の問題を抱える人が、年間10万人にもなるのではないかと言われています。せっかく様々な困難を経て、社会で活躍しようと受験を乗り越え大学に進学し、そして希望通り就職したとしても、社会全体が健康でなければ元も子もありません。そして同時に、今日本が直面している様々な問題は、近い将来アジアの諸各国でも当然問題となってゆくでしょう。日本において私たちが、この問題をどう乗り越えてきたかを一つのモデルとして確立することができれば、きっとアジアの成長・発展にも役立てるのではないでしょうか。
最後の質問時間に、「長生きをして社会で役立てるよう成長してゆきたいが、勉強への投資以外で高校生の今、努力できることはないだろうか」、「将来作業療法士を志しているが、どのような勉強をしていけばよいか」という質問が出ました。
竹田先生からは、「睡眠、食事など、生活が大切であることはもちろんだが、とにかく『うつ』にならないことを心がけてほしい。」、「ボランティアに多く参加して、知識の確立だけでなく社会参加をすることで健康を広めるような活動をしてほしい」とアドバイスをいただきました。
人間は、充足感を得ると、「オキシトシン」という幸せホルモンを分泌するそうです。そのためには、嫌なことがあったりストレスを感じたら友達同士でポテトチップスやせんべいのような、塩分を多めに含んだ食べ物を、バリバリと食べながらおしゃべりをするのが有効らしいです。ただし、食べすぎには注意をとのこと。
1人だけで幸せにはなれないように、1人だけで健康にはなれないのですね。
アジアに思いをはせる前に、自分の足元をじっくり見つめる大切さを学ぶことができました。